兵庫県で不動産投資をするために知っておきたいポイント
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大阪府の西隣に位置する兵庫県は、西日本でも有数の観光都市です。日本三大中華街の一つ、異国情緒あふれる南京町や、高校野球の聖地・阪神甲子園球場を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
不動産投資というと東京や大阪といった都心部で検討しがちかもしれませんが、実は兵庫県も不動産投資に適した要素がたくさんあります。ただし、兵庫県は人口が集中しているエリアが限られているため、兵庫県で不動産投資を始める際には、しっかりとエリアを見極めることが大切です。
今回は、兵庫県で不動産投資を行う際に知っておきたいポイントを解説します。メリットやデメリット、人気エリアについても紹介しているので、関西地域で不動産投資をご検討中の方はぜひご覧ください。
兵庫県の特徴
まずは兵庫県の地理的な特徴についてご説明します。
兵庫県は日本のほぼ中心に位置していますが、その地形の多様性から「日本の縮図」と呼ばれています。北部の但馬地方は日本海に面し、南部の播磨、摂津地方は瀬戸内海に接しています。さらに淡路地方は大きな島で、その南端は太平洋に面しています。広域県であるため、地形は山地、盆地、平野、沿岸、島嶼(とうしょ)など、実にバラエティに富んでいます。
北部の但馬エリアや丹波エリアは豊かな自然を味わえるエリアです。
一方、南部の摂津エリアである尼崎市や西宮市、芦屋市、神戸市は都市開発が進み、大阪へのアクセスも良い栄えたエリアです。企業や大学のキャンパスもこのエリアに集中しています。
そのため、人口の多くは南部に集中しており、反対に北部では人口が減少する傾向にあります。
賃貸物件の需要は人口の多さに比例するため、兵庫県で不動産投資を始めるのであれば、人口が多い南部エリアを選ぶべきと言えるでしょう。
不動産投資における兵庫県の現状
不動産投資を始めるにあたって、ターゲットとなる地域について把握することは非常に重要です。
ここでは兵庫県の人口推移や地価、家賃相場について解説します。
兵庫県の人口推移
令和2年の国勢調査によると、兵庫県の人口は546万9,184人となっており、全国総数の4.33%を占め、都道府県順位では第7位になっています。昭和25年以降、阪神・淡路大震災のあった平成7年を除き、平成17年までは増加傾向にありましたが、平成22年以降は減少幅が拡大しています。
人口減少が続く兵庫県ですが、「ひょうごビジョン2050」により地域創生戦略をはじめ、地域の人材や企業などとのネットワークを築いていくことを目指しています。兵庫県はしっかりと対策を練っているため、安心できるポイントであると言えるでしょう。
参照:兵庫県 ひょうごビジョン2050
兵庫県の地価
令和5年における兵庫県の地価公示価格は、平均で15万9946円/㎡、坪単価にすると52万8747円/坪です。前年度に比べて0.95%上昇しており、公示価格は47都道府県中6位となっています。
ちなみに、都道府県の公示価格が1位である東京都の地価は108万5266円、2位の大阪府の地価は37万4520円です。兵庫県と比較すると倍以上の差があることから、東京・大阪よりも安価に収益物件の購入を行うことが可能です。
兵庫県の賃貸物件の家賃相場
兵庫県の人気エリアにおける家賃相場をご紹介します。
1.単身者向け物件
単身者に人気のワンルーム・1K・1DKの物件の場合、神戸市全体の平均相場は約5.6万円、神戸市の中でも最も相場が高い中央区は約6.7万円です。その他、芦屋市では約6.2万円、西宮市は約6万円、明石市は約5.6万円となっています。なお、大阪市の平均相場は約6万円となっています。単身者向けの物件においては、大阪とそれほど差がない相場と言えるでしょう。
2.ファミリー向け物件
ファミリー層に人気の2LDK・3K・3DKの間取りの場合、神戸市全体の平均相場は約10.7万円、神戸市の中でも最も相場が高い中央区は約15.7万円となっています。芦屋市では約15.4万円、西宮市は約12.5万円、明石市は約10.5万円です。大阪市の平均相場は約13万円となっており、ファミリー向け物件としては圧倒的に兵庫県が低い相場になっています。
兵庫県で不動産投資をするメリットとデメリット
次に、兵庫県で不動産投資を行う場合のメリットとデメリットについて解説していきます。
メリットとして挙げられるのは、賃貸物件の需要が高い地域があると言う点です。神戸市には企業や企業の研究拠点が多く存在するため、賃貸住宅の需要が高くなっています。そのため、兵庫県の中でも神戸市のように人口が多い地域では、安定した利回りで不動産投資を行うことが可能になります。
また、兵庫県では阪神・淡路大震災の教訓をもとに、災害に強い街づくりが進められています。具体的には治水、治山、砂防、海岸整備といった県土保対策の徹底のほか、公共施設などの建築物の耐火性、耐震性の強化や太陽光エネルギー利用システムの導入などを行っています。さらに、交通網やライフラインの多重化を進め、災害に強い情報通信ネットワークを構築し、バックアップ機能の確保も進められています。そのため、兵庫県で不動産を持つ場合は耐震性と耐火性に優れた物件にする必要があるものの、街そのものが大きな災害に強いと言う点は地震が多い日本において大きなメリットです。
デメリットは、大阪への人口流出の懸念があることです。兵庫県は大阪への人口流出を県全体の課題として挙げており、先述した大阪へのアクセスが良い南部エリア以外は特に人口減少が懸念されているようです。そのため、収益物件を購入する際には、人口減少の心配が少ないエリアを選ぶ必要があります。
兵庫県で不動産投資をするための人気エリア
1.神戸市
神戸市は、兵庫県の中心となる県庁所在地です。垂水区・須磨区・長田区・兵庫区・中央区・灘区・東灘区・北区・西区の9つの区で構成される政令指定都市で、兵庫県内では最大の人口を誇ります。神戸市はそのブランド力と利便性の高さから、兵庫県全体では人口が減少傾向にあるものの、神戸市だけを見ると現在でも人口は増加傾向にあります。
神戸市内で特に賃貸住宅の人気が高いのは中央区で、その中でも三宮周辺が最も人気のエリアとなっています。特に鉄道をはじめとした生活インフラが整っており、区内にはJR、阪神電鉄、阪急電鉄、神戸市営地下鉄、ポートライナーといった路線が走ります。駅前には飲食店をはじめとした多くの商業施設が立ち並び、神戸市の中でも生活の中心地となっています。
ただし、神戸市は都市機能とバランスのとれた都心居住を誘導するため、2020年7月に特別用途地区「都心機能誘導地区」を策定しています。
・JR三ノ宮駅南側の22.6ヘクタールで新たな住宅建設を禁止
・新神戸駅から神戸駅までの約292ヘクタールでは、大型敷地(千平方メートル以上)に新築するビルの住宅部分の容積率を400%以内に限定
つまり、市中心地である中央区の三宮では、事実上タワーマンションが新築できなくなったということです。この規制は、JR三ノ宮駅周辺での商業・オフィスの機能拡充を目的としたものですが、人気が高い三宮エリアには住宅が建てられないため、アパートを新築する場合は候補地が限られてしまいます。一方、三宮エリアに既存するアパートは今後物件不足になる可能性があり、価格の上昇も想定されます。
このように神戸市は、人口が多く人気の高いエリアではあるものの、場所によってはアパートの新築エリアが限定されることもあり、適切な物件やエリアを選んで不動産経営を行うことが重要になります。
2.西宮市
西宮市は「関西で住みたい自治体ランキング」で6年連続1位を獲得した、非常に人気のエリアです。阪神甲子園球場や、ららぽーと甲子園といった観光スポットがあるのも西宮市です。
交通拠点、オフィス街、役所等の中心業務地区のほか、商業施設や飲食店、観光スポットなど暮らしや遊びを支える施設もある、非常に多様な顔を持つ街です。繁華街というイメージがつきがちですが、実はとても生活環境に優れたエリアとなっています。
アクセスも非常に良好です。西宮駅から大阪・梅田には直通特急で約15分、大阪難波にも乗り換えなしで移動できます。高速道路の「西宮インターチェンジ」も市内にあるので、自家用車や高速バスなどの利用も可能です。
以上のことから、単身者だけでなく子供がいるファミリー世帯からの人気もあり、賃貸住宅の需要も高くなっているため、不動産投資におすすめのエリアであるといえるでしょう。
参照:SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版 ~住みたい自治体1位は?~
兵庫県の人気エリアで不動産投資をする際の注意点
先ほど人気エリアとして神戸市と西宮市を紹介しましたが、注意点もあります。
神戸市と西宮市にはワンルーム規制がある
ワンルーム規制とは、単身者向けの集合住宅であるワンルームマンションの建設を制限する条例です。神戸市では、ワンルームマンション1戸当たりの住戸専用面積を18㎡以上にするという条例が定められています。また、建築基準法ではマンションの天井高は2.1m以上あればよいと規定されていますが、神戸市では最低2.3m以上の天井高が必要であるとしています。神戸市の建築物に関する制度の詳細については下記をご覧ください。
参照:神戸市 指定建築物制度
西宮市のワンルーム規制は神戸市よりも厳しく、ワンルームマンションを新築する際には1戸当たりの専有面積を25㎡以上にしなければなりません。こちらも詳細は西宮市の公式HPがわかりやすく説明してくれているので、下記をご覧いただけると幸いです。
参照:西宮市 ワンルームマンション等の管理等に関する指導要綱について
ワンルーム規制のある自治体内では、新たなワンルームマンションの建設が難しくなるため、ライバルとなる新築物件が増えにくくなります。つまり、時間が経過しても物件の資産価値を保ちやすく、不動産価格の下落リスクを抑えられる傾向が高いエリアということです。神戸市と西宮市は、物件の資産価値を保ちやすく、空室リスクも抑えられる魅力的なエリアということです。条例をしっかり把握し、適切な不動産経営を行いましょう。
兵庫県を包括的に知ることが不動産投資の鍵!
今回は、兵庫県で不動産投資を行う際に知っておきたいポイントを解説しました。兵庫県の特徴や、不動産投資を行うメリットとデメリット、不動産投資に人気なエリアについてお分かりいただけたかと思います。
東京・大阪の物件価格が高騰している今、兵庫県は、不動産投資の対象として狙い目ではないでしょうか。兵庫県で不動産投資を行う際には、住宅に関する規制や条例をしっかり把握し、適切な物件やエリアを選んで不動産経営を行うことが重要です。
今村不動産は、大阪に拠点を置く不動産総合デベロッパーです。関西・近畿エリアを中心とした市場調査に強く、幅広い情報を扱っています。兵庫県での不動産投資をお考えの方はぜひ私たちにご相談ください。
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