不動産投資に元手はいくら必要? 少額での投資には注意すべき理由

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不動産投資に元手はいくら必要? 少額での投資には注意すべき理由

不動産投資をはじめるにあたって元手はいくら必要か。これから不動産投資を始めようと検討されている方には気になる話題だと思いますが、実際のところ事業として不動産投資を行っている投資家にとっても投資物件の種類や方法が多岐に渡るので悩ましいポイントでもあります。近年では不動産投資のスタイルも多様化しており、インターネットで調べてみても「物件価格の2~3割が目安」という記事もあれば「自己資金ゼロで始められる」という広告も出てきて余計に悩んでしまいがちです。

 

では、実際のところ不動産投資にはどのくらいの元手があれば良いのでしょうか。今回は不動産投資に必要な元手や最低限必要になる自己資金について考えていきます。

不動産投資の元手目安はいくら?
物件価格の融資限度額の差額は?

 

不動産投資と聞くと物件購入のために数千万円の資金が必要だと考える方も多いかもしれませんが、そのすべてを自己資金でまかなわずとも金融機関からの借り入れを利用することで不動産投資を行うことが可能です。ただし最低限の元手は必要になってきます。

 

ここで言う不動産投資に必要な元手とは「頭金+諸費用」に充てられる自己資金を指します。「諸費用」とは不動産会社に支払う仲介手数料や登記の際に司法書士に支払う報酬、ローン手数料、税金などで、その額は一般的に物件価格の15〜30%だと言われています。金融機関から借入れる投資用ローンには基本的に諸費用が含まれていません。つまり、仲介手数料をはじめとした諸費用までローンを使ってしまうと毎月の返済が多くなるため当然負担も大きくなります。少なくとも諸費用に対応でき、さらに空室などのリスクにもある程度備えられるくらいの元手は持っておいた方が賢明だと言えます。

 

もちろん自己資金の金額は物件によりケースバイケースではありますが、逆に考えると自己資金の金額によって、どのくらいの金額の収益物件に投資できるかの目安にはなるでしょう。ちなみにざっくりではありますが、

 

自己資金100万>購入可能物件300〜600万=格安の区分マンション
自己資金1000万>購入可能物件3300万円~6600万円=一棟アパート
自己資金3000万>購入可能物件1億円~2億円=事業用収益ビル

 

という具合です。金融機関からの融資額はオーナーの年収をベースに計算されるのが一般的で、高額物件の場合は資金が足りず手が届かないこともあります。一般的に不動産投資ローンの融資限度額は、年収の7倍~10倍程度が目安と言われています。年収500万円のサラリーマンであれば融資可能額は3,500万円~5,000万円、年収1,000万円の場合の融資上限額は5,000万円~1億円となります。

 

ただしこれはあくまで一般論であり、融資先の金融機関はもちろん、同じ銀行でも支店や担当者によっても最終的な融資額は変わってきます。年収のみならず職業や年収、年齢などの「本人属性」や融資対象となる投資用物件の「収益性」や「担保性」によっても融資額は変動するのです。このあたりはまた別の記事で触れますが、今村不動産では幅広い金融機関とのネットワークがございますので、不動産投資の融資に関するご相談もぜひお気軽にお声がけください。

 

 

元手ゼロは資金ゼロではない!
安直な不動産投資に潜む落とし穴

 

上記のように、一般的な不動産投資では自己資金は15%~30%程度用意できると安心だと言えます。ただしオーナーが金融機関から「属性」の高さを認められ、物件の資産価値を高く評価してもらえれば自己資金ゼロでも不動産投資を始めることができます。ただし、その場合は頭金を入れない「フルローン」を組むことになります。この場合であっても、投資用の物件購入にあたって必要となる諸費用(不動産会社への仲介手数料・ローンを借りる時の事務手数料・印紙税・登録免許税・火災保険料など)は自分で用意する必要があります。

 

フルローンは魅力的ではありますが、安易にフルローンで不動産投資をすると失敗してしまう可能性高く、あまりおすすめできません。なぜなら、フルローンの場合は借入額が大きくなり自己資金を入れる場合と比べて金利が高くなります。その結果、少しの空室や修繕の発生で収支が悪化するだけでも賃貸経営が赤字になるケースが多いのです。せっかく利益を得るために不動産投資を始めたのに、赤字になっては元も子もないでしょう。

 

唯一フルローンをおすすめできるとすれば、フルローンでも低金利で融資を受けられる人、つまり年収が高い(目安は2000万円以上)、あるいは資産を潤沢に持っている(目安は3000万円以上)人です。会社経営者で、日ごろ取引のある銀行から低金利(0%台~1%台前半)で融資を受けられるなら、フルローンを活用して良いでしょう。収支が悪化したり、空室や修繕が発生したりしてもそれを補えるだけの資金を用意できているからです。

 

ただし、以上の条件に当てはまったとしてもフルローンで融資を受けることでそうでない場合と比べてキャッシュフローが悪化することに変わりありません。フルローンに対するこだわりがないのであればフルローンでない融資を引くのをオススメします。

 

 

元手が少なくても可能な
不動産投資の方法あれこれ

 

自己資金のない人が「融資なしで不動産投資を始める」というのは、かなり厳しいのが実情です。しかし近年は不動産投資のスタイルも多様化しており、少額から不動産への投資をすることもできるようになってきました。こからは代表的な少額不動産投資の方法についてご紹介します。

 

●不動産投資信託(J-REIT)
不動産投資信託(J-REIT)とは、複数の投資家が少額で不動産投資法人に投資資金を預け、投資資金を元手に投資運用してもらう方法です。日本では「JAPAN」の頭文字をつけてJ-REITと呼ばれることもあります。一口4万〜60万円ほどの資金でスタートでき、元手の額にあわせて投資先を選ぶことが可能です。不動産投資信託(J-REIT)は、運用する不動産が証券化されて市場で売買取引されるため、値動きや流動性が通常の不動産取引よりも大きいという点が特徴的です。また、不動産投資信託(J-REIT)は不動産投資のプロに投資そのものを任せられるので、個人レベルでは難しい投資案件から利益を得ることもできます。ただし、株式市場の値動きの影響を受けやすく、相場が急激に変動する可能性があるので注意も必要だと言えます。

 

●不動産小口化商品
「不動産特定共同事業法(不定法)」という法律に基づいて販売される金融商品で、ひとつの不動産が一口数万円~100万円程度の小口にして販売される、不動産投資信託と似たような投資システムといわれています。不動産投資信託は不動産投資事業をおこなう法人の証券を購入して出資をする株式投資に近い出資方法ですが、不動産小口化商品の投資先は証券化された金融商品ではなく、不動産そのものに出資をする点が異なります。運用対象となる物件には、数十億円単位のオフィスビルやタワーマンションなど、個人で投資するにはハードルの高い好立地・超高額不動産があり、それらの収益が投資家に分配される仕組みです。また「任意組合型」の不動産小口化商品は小口に分割された不動産を投資家自身が保有するため、相続税対策にも効果的なのが特徴です。

 

●クラウドファンディング
クラウドファンディングとは特定の事業に対して投資することで、その事業の売上高に応じて分配金を支払うという投資方法です。クラウドファンディングは元々、資金の不足している個人事業主が不特定多数から資金を募る手段として注目されてきましたが、不動産投資においても、この手法によって不動産投資のための元手を複数の投資家から集め、運営会社が不動産投資によって利益を還元するという形式を取ることが可能になっています。一口あたり1万円程度から投資でき、運用期間も短いものが多いため、投資初心者にもおすすめだと言えます。不動産クラウドファンディングの投資対象は、一般的な賃貸物件(アパートやマンション、複合ビルなど)のほか、古民家再生や保育園建設など、さまざまなプロジェクトがあるのが特徴です。

 

 

中長期的な不動産投資なら
ある程度の元手で投資検討すべき

 

不動産投資ローンを組まなくても不動産投資は可能ですし、無借金で不動産投資を行う不動産投資家も少なくありません。金融機関から借入を受けた上で不動産投資を行う場合、定期的に「利子」を支払う必要がありますが、無借金で不動産投資行う場合は当然利子の支払いは不要です。金利は借入先の金融機関などによって異なりますが、およそ2〜4%程度(年間)だと言われています。たとえば5,000万円借入した場合、年間で支払う利子の額は100万円〜200万円となります。無借金とまではいかなくても、元手が多い方が支払う利子が少なくなること言うまでもありません。

 

また、融資を受けて不動産投資を行う際には、ほとんどのケースで投資用の不動産を担保に出す必要があります。仮に不動産投資が上手くいかず資金の返済が不可能となった場合、金融機関は担保に設定されている不動産を売却する形で資金を回収します。つまり不動産投資が失敗すると、せっかく購入した不動産を失ってしまい、不動産投資に費やした努力が水の泡となってしまうのです。これが無借金で不動産投資で行っていた場合は不動産に担保を設定せずに済むため、万が一不動産投資が失敗に終わっても不動産は最悪手元に残りますし、手元に残った不動産を売却してキャッシュを得ることもできますし、相続して家族に資産を残すこともできるでしょう。無借金ではなくても元手が多くローンがはやく返済できさえすれば不動産は自己保有となり、将来のリスク軽減につながると言えるでしょう。

 

 

今村不動産のOMIなら
理想の事業用不動産を実現可能

今回は不動産投資における元手について解説してきました。結論を言えば、自身の資産や捻出できる元手に応じた不動産投資の方法を模索したり、最適な物件を見つけることが不動産投資成功の最短ルートです。

 

私たち今村不動産では、比較的規模の大きな1億〜10億程度の物件を得意とはしていますが、投資家様の希望をもとに物件価格・エリア・立地・業種などを組み合わせて開発を行うオーダーメイド型不動産投資サービスを展開しています。都市銀行・地方銀行をはじめ様々な金融機関と資金調達のパイプを持ち、資金調達のサポートもさせていただいています。ぜひご相談いただければ幸いです。

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