不動産デベロッパーとは？

デベロッパー（Developer）とは、英語で「開発者、造成業者」という意味があり、不動産・建築業界では「土地や街の開発事業者」を指します。

不動産会社を業務内容別に大きく分類すると、土地を取得して開発事業を行う不動産開発会社（デベロッパー）、不動産の売買・賃貸の仲介を行う不動産流通会社、物件の管理を行う管理会社に分けることができます。デベロッパーの大きな特徴としては、ただ建設するだけでなく、建設前からその周辺を含めた企画を創造し、街や地域を通して開発を行っていくところにあります。わかりやすく説明すると、関西ではお馴染みの「あべのハルカス」や「ららぽーと」といった複合商業施設や、大型マンションなどの企画・開発を行うことがデベロッパーの役割です。

他にも、住みやすい街づくりのための再開発事業や、大規模な住宅街の形成のほか、娯楽施設となる大型商業ビルやリゾート施設の開発など、人々のニーズに合わせて様々な事業に取みます。近年は高齢化社会ということで需要が増えている高齢者向けマンションや医療機関、福祉施設にも参入しています。

不動産デベロッパーとゼネコンの違い

では、デベロッパーとゼネコンの違いはどこにあるのでしょうか？

デベロッパーとセットで取りあげられることが多い「ゼネコン」とは、建築関係を統括する会社のことを指します。

デベロッパーとゼネコンが混同されがちな理由としては、ゼネコンによってはデベロッパーの仕事も担当していることがあるからです。両者は「一緒に建物を完成させる」という目的で繋がっており、デベロッパー側の用地取得力や企画力、ゼネコン側の工事のノウハウや下請けをまとめる力を合わせ、 互いに必要不可欠な協力関係にあると言えます。

一般的にはデベロッパーが事業を主導している発注側で、ゼネコンが受注する側という認識ですが、大きな案件になるほど対等に近い立場で共同開発をしていきます。

不動産デベロッパーの仕事内容

土地の仕入れから建設の事業計画、販売窓口など、様々な仕事を担当している不動産デベロッパーですが、具体的にはどのような業務を行っているのでしょうか。企業や案件ごとに差はありますが、不動産デベロッパーとしての一般的な仕事内容を5つのポイントに分けて詳しく解説していきます。

1.素地取得

開発事業のスタート地点となるのが、開発のもとになる土地を確保する「素地取得」です。どんな土地開発でも、開発するべき土地がなければ事業は進みません。不動産デベロッパーは不動産流通業社と呼ばれる不動産仲介業者や管理会社、時には地権者や行政にヒアリングを行いながら、日々より良い土地の情報収集を行っています。地権者によっては信託銀行の不動産の仲介部門に運用を任せていることも多いため、そういったパイプラインを持っていると有利に働くと言われています。そして、測量専門家などと一緒に現地調査を行い、土地の測量、土壌調査、周辺の交通量などを確認して土地の良し悪しを判断し、土地を取得していきます。

2.企画・開発（マーケティング）

どんなお客様をターゲットにするのか、どんな施設を開発するのかを決め、需要の有無、周辺施設の相場などをリサーチしていきます。これらは主に企画職と呼ばれる職種が担当し、どんな建物や街づくりをするかといったコンセプトや方向性を考案します。そこで決まった構想をもとに、建物のデザインや設計に落とし込んで、実際に建設へと進んでいきます。

また、一般的にマーケティングとは商品の市場調査や販売戦略を練ることですが、デベロッパーも開発事業を入念にマーケティングしています。販売価格や商業施設のテナント料の設定、誘致などを行っていくこともあります。 こういった販売戦略によって、事業の利益率を見定め、利益が見込めれば建築工事が始まります。

3.建築・施工管理

建築工事についてはゼネコンや工務店をはじめとした建築業者に依頼することになります。建物の設計・デザインはデベロッパー社内で行うこともあれば、建築士やゼネコンに依頼したり様々なパターンがありますが、工事施行中のデベロッパーの役割は主に事業主として進行状況の管理を行うことです。デベロッパー内には建築管理を担当する部門があり、契約通りに作業が進んでいるか、建築工事の過程を細かくチェックします。

4.営業販売

素地取得から様々な工程を経て完成した建物を販売して初めてデベロッパーの利益になります。マーケティングの結果を元に、WEBサイトやパンフレットなど販促まわりの制作で広告展開をし、顧客への営業販売を行うのもデベロッパーの仕事です。 大きな企業であればこういった営業関連も自社内で完結させることができますが、小さな規模のデベロッパーの場合は販促業務を外注したり、ネットワークを活かして一般消費者ではなく不動産仲介業者へ販売するケースもあります。

5.法務・総務管理

賃貸契約などの経験がある方はご存知かと思いますが、不動産業界では数多くの書類を取り扱います。デベロッパーが行う事業レベルになると、その数は膨大です。 例えば土地売買の契約、自治体や近隣住民との協議書、事業融資の契約、ゼネコンなどの建築会社との契約、完成した建物の販売やテナント契約など、ひとつの開発事業に対して契約は多岐にわたります。書類管理の専門部署がなければ事業は進みません。事業の秘密保持や個人情報保護の観点からも外部への発注は難しいため、自社内で管理する必要があります。

不動産デベロッパー選びのポイント

ここまで不動産デベロッパーの基本知識について解説してきましたが、オーナーにとって重要なのはその選び方です。特に不動産投資をご検討中の方はまず会社選びに頭を悩ませるのではないでしょうか。不動産投資の相談先としては不動産投資会社、税理士やファイナンシャルプランナー、金融機関やコンサルティング会社など多岐にわたりますが、不動産デベロッパーもその一つです。ただし、会社によってサポートの範囲が異なるため、それぞれの特徴やサービス内容を加味して慎重に検討しましょう。本項では不動産デベロッパー選びのポイントをご紹介していきます。

1. 非公開の物件情報を取り扱っているか

会社選びの際に最も注目すべきポイントは、物件サイトに掲載されていないような非公開の物件情報を取り扱っている会社です。優良な物件情報は、他の不動産会社や地元の金融機関等の紹介によって各不動産会社からその顧客に紹介されます。一般的な物件サイトに掲載されている情報から優良な物件を見つけ出すのは難易度が高く、もし良い物件が出たとしてもすぐに抑えられてしまうでしょう。自社開発物件や市場に出回らない水面下物件など、不動産デベロッパーならではの非公開物件を取り扱っている会社は必見です。

2.会社の業歴や実績

会社が長く存続していることは、信頼の証とも言えます。会社概要を確認し、どのような業歴を辿っているのかしっかりチェックしましょう。また、実績が豊富ということは、それだけ有益なノウハウがたくさんあるということです。ホームページ上では詳細を公開していない場合もあるため、気になる会社が見つかった際は問い合わせしてみると良いでしょう。

3.専門家や協力会社との連携

不動産投資は、税務・法務などの専門的な知識が必要になる場面が多いため、専門家とのネットワークが豊富な会社を選びましょう。一口に専門家と言っても、弁護士や税理士、その他仲介会社などその分野は多岐にわたります。不動産会社の提携専門家であれば不動産投資の実務に詳しいことが多く、自分で探すよりも安心と言えます。

4.周辺の土地勘があるか

不動産の開発には、周辺の土地勘が重要になります。物件自体の情報だけでなく、実際に現地に赴いて地域の情報を把握しているかどうかを確認しましょう。物件の近隣に類似施設や嫌悪施設が存在しないか、最寄駅はどの程度の人の流れがあるか、周辺地域は住宅街なのか繁華街なのかなど、ネットで調べるだけでは入手が難しいような知識を持っている、地域密着型の不動産デベロッパーがおすすめです。

理想の投資物件が見つからない場合はオーダーメイドでつくるという手法も！

不動産デベロッパーを初めとする不動産投資の相談先選びは、投資の成否に大きな影響をもたらします。大きな金額が動き、さらに運用期間が数年・数十年と長期に渡るため、慎重に検討するべきでしょう。そこでおすすめしたいのが、オーダーメイド型不動産投資サービス『OMI』です。

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今回は不動産デベロッパーについての基礎知識や選ぶ際のポイントについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか？土地開発や不動産投資をご検討の際にはぜひ参考にしてください。

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