【不動産経営者の気になるポイント】アパート経営の最適な売却タイミングとは?
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アパート経営の大きな魅力の一つは、継続的に得られる家賃収入です。しかし、適切なタイミングで売却をすることで利益を得るといったチャンスも秘めています。そのため、投資用アパートに関しては、売却のタイミングや出口戦略をしっかりと考えておくことが非常に重要です。
さらに、使用していない土地にアパートを建設したものの、老朽化が進んで収支が悪化している方や、アパートを相続したものの管理に困っている方など、さまざまな理由から売却を検討する方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、適切な売却タイミングを見極めるためのポイントや実際に売却する際のフローや必要経費、注意点などについて解説していきます。最適なタイミングで売却したいと考えているアパート経営者の方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
売却タイミングを見極めるための3つのポイント
アパートの売却タイミングを決定する際には、物件の状態や築年数、市場動向をしっかりと見極めることが重要です。これにより、最適なタイミングでの売却を目指すことができます。具体的な見極めポイントや判断基準は以下の通りです。
・築年数と物件の状態
アパートの築年数は売却のしやすさに大きく影響します。一般的に、築20年以内の物件は市場で売りやすいとされています。これは、比較的新しい物件が購入希望者にとって魅力的であり、リフォームや修繕の必要も少ないためです。一方、築年数が古く老朽化が進んでいる物件は、購入希望者からの評価が低くなる可能性があります。建物自体や設備、内装や外装などの修繕にコストがかかってしまうためです。
また、築年数が22年を超えると減価償却の観点から不利になるため、売却を考える人が増える傾向にあります。減価償却とは、建物が年を経るごとに劣化する分の金額を帳簿上の価値から減額する会計処理です。この処理により帳簿上の利益が下がるため、結果として課税額も減少し、節税効果を得ることができます。アパートの多くは木造で、木造建物の法定耐用年数は22年と定められています。この期間を過ぎると課税額が増加するため、築年数22年を超える前に売却を検討する人が多いのです。
・市場動向の分析
不動産市場の動向を分析することも、売却タイミングを見極める上で重要です。地価や市場の動向が上昇している時期に売却することで、より高い価格での取引が期待できます。市場分析の方法としては、以下のような手段があります。
- 近隣物件の取引事例を調査する
同じ地域での最近の取引価格を確認することで、相場を把握できます。
- 不動産ポータルサイトを活用する
複数の不動産情報サイトを参照して売却相場を調べることができます。
- 不動産会社へ査定を依頼する
専門家の意見を聞くことで、より正確な市場価値を把握できます。
これらの手段を通して市場の動向を把握することで、売却のタイミングを逃さず、利益を最大化することが可能となります。
・経営状況と入居率
アパートの経営状況、特に入居率は売却タイミングに大きな影響を与えます。高稼働中の物件は購入希望者にとって魅力的であり、売却のタイミングとして有利です。満室状態や高稼働が続いている場合、物件の価値が高く評価されるため、売却を検討する絶好の機会となります。一方で、空室リスクがある場合は売却の判断を慎重に行うべきです。空室が続くと、収益が減少し、物件の価値も下がる可能性があります。したがって、経営が継続的に利益を上げている状態で売却する方がより良い条件での取引を実現しやすいでしょう。
アパートを売却する際の具体的な手順
前章で解説した物件状態や市場動向、経営状況を踏まえて最適な売却タイミングを見極めることができたら、実際にアパートを売却する準備を進めましょう。ここではアパート売却の手順を詳しく解説します。
1.査定を実施する
まずは不動産会社に査定を依頼します。その後不動産会社が物件を訪問し、状態や立地、周辺環境などを考慮して査定を行います。この際、物件の修繕履歴や入居状況なども伝えると良いでしょう。査定結果が出たら、価格の根拠や市場動向について不動産会社から説明を受け、査定額が妥当かどうかを確認します。査定額の妥当性や売却相場を判断するために、複数の不動産会社に査定してもらうと良いでしょう。
2.不動産会社と媒介契約を結ぶ
査定を踏まえて信頼できる不動産会社が見つかったら媒介契約を結びましょう。媒介契約とは、不動産の売買に関する業務を宅地建物取引業者(不動産仲介業社)に依頼する際に締結する契約です。不動産売却は宅地建物取引士の資格の有無にかかわらず個人でも行って良い取引ですが、必要書類の準備や買主とのやり取りや交渉、煩雑な手続き等を自分で行い、かつ契約不適合責任など民法に関する知識も求められるため、不動産会社に依頼するケースが一般的です。媒介契約には以下の3種類があります。
- 一般媒介契約
複数の不動産会社と契約可能で、自分で買主を見つけた場合は不動産会社の仲介なしに販売することもできる。
- 専任媒介契約
契約する不動産会社は1社に絞るが、自分で買主を見つけた場合は直接契約が可能。
- 専属専任媒介契約
1社の不動産会社に専属専任でついてもらうことになるので、自分で買主を見つけても必ず仲介を依頼する必要がある。
3.販売活動スタート
媒介契約を結んだ不動産会社にて物件の認知度を高めるための販売活動を開始します。具体的には、不動産ポータルサイトへの掲載、折込チラシの配布、内覧の実施などです。この際、なかなか買主が見つからない場合には売却価格を見直すケースも少なくありません。また、内覧を行った購入希望者から値下げの交渉が入ることもあります。不動産会社のサポートを受けながら随時、売主として柔軟な対応が求められるでしょう。
4.不動産会社が売買契約をまとめる
買主が見つかり、売却価格について合意が得られれば売買契約を結びます。売主と買主、さらに両者の仲介業者を含む4者が一堂に会し、契約の締結や手付金の支払を実施します。不動産売買契約書の作成や細かい手続きはすべて不動産会社が代行するため、売主が行うべきことは特にはありません。その後、売買契約書において定められた日時に不動産の売却金額の決済と物件の移転を行います。売主、買主、双方の仲介業者、及び金融機関の担当者が集まり決済を進め、同日中に所有権移転登記の手続きを行って引き渡しが完了します。
アパート売却時に注意すべき費用と税金
アパートを売却する際には様々な費用や税金が発生します。これらを事前に理解し、適切に予算を管理することが重要です。ここでは、アパート売却にかかる主な費用と税金について解説します。
・アパート売却にかかる費用
アパートを売却する際に発生する主な費用は以下の通りです。
- 仲介手数料
不動産会社の仲介でアパートを売却する場合は仲介手数料が必要です。これは売却価格に応じて計算され、一般的には以下のようになります。
- 売却価格が200万円以下の場合:売却価格の5%+消費税
- 売却価格が200万円超400万円以下の場合:売却価格の4%+2万円+消費税
- 売却価格が400万円超の場合:売却価格の3%+6万円+消費税.
- 測量費用
土地の境界を明確にするために測量が必要な場合があります。土地の面積や形状によって異なり、一般的には50万円から100万円程度が相場です。
- 抵当権抹消登記費用
アパートに抵当権が設定されている場合、売却時に抵当権を抹消する必要があります。この手続きには、登録免許税(1,000円)と司法書士への依頼費用(15,000円程度)がかかります。
- 印紙税
売買契約書などの金銭のやり取りに関する文書作成に課される税金。売却価格に応じて税額が異なり、例えば1,000万円以下の場合は5,000円、 5,000万円以下の場合は10,000円が必要です。
- 譲渡所得税
アパートを売却して得た利益に対して課税される税金です。税率は所有期間に応じて異なります。
- 所有期間が5年以下の場合:63%(所得税30%、住民税9%、特別復興所得税0.63%
- 所有期間が5年超の場合:315%(所得税15%、住民税5%、特別復興所得税0.315%).
- その他の費用
ハウスクリーニング費用や立ち退き料、解体費用など物件の状態や契約内容によって異なります。
アパート売却後の次のステップについても考えておこう
今回は、経営するアパートを売却する最適なタイミングについて解説しました。タイミングを見極めるためには、物件の状態や市場動向、経営状況をしっかりと分析することが重要です。また、売却手順や費用、税金についてもあらかじめ理解を深めておことでスムーズな売却が実現できます。
そうして納得のいく売却が完了したら、売却で得た資金を次の不動産投資にどう活用するかについて考えていきましょう。新しい投資物件を選ぶ際は、市場の動向を見極めつつ、立地や将来性を考慮して収益性の高い物件を選ぶことが大切です。これらのポイントを押さえ計画的に行動することで、より有利な条件での売却を実現し、効果的な資産運用を成功させることができるでしょう。
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