レバレッジとは?不動産投資におけるメリットや活かし方を解説
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不動産投資を成功させるためには、少ない自己資金で効率よく資産を増やす方法を理解することが重要です。その中でも、「レバレッジ」を活用することで大きなリターンを得るチャンスが広がります。しかし、レバレッジにはリスクも伴うため、適切に運用することが成功の鍵となります。
そこで今回は、不動産投資におけるレバレッジの基本的な考え方に触れたうえで、メリットやリスクを解説し、それらを踏まえた投資戦略のポイントについて紹介します。投資効率を高め、資産増加のスピードを加速させたいと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
てこの原理を意味する「レバレッジ」の基本概念を理解しよう
まず、そもそも「レバレッジ」とは何かについて理解していきましょう。レバレッジとは経済活動でよく使われる概念であり、小さな資本で大きな利益を得られることから『てこの原理』に例えられることが一般的です。ここでは、レバレッジの基本的な仕組みや不動産投資における役割について解説します。
・レバレッジの基本的な仕組み
先述の通り、レバレッジとは「少ない資本で大きな利益を得ること」です。具体的には、少ない自己資金で大きな資産を運用するために、借入を活用する手法を指します。不動産投資においては、銀行や金融機関からのローンを利用し、自己資金よりも大きな額の不動産を購入することが可能です。この仕組みにより、資本効率を向上させることができます。
レバレッジの概念は、株式投資や事業投資にも応用されるもので、借入をうまく利用することで、自己資金の数倍、場合によっては数十倍の資産を運用できることもあるでしょう。例えば、株式投資では信用取引を活用することで自己資金の何倍もの資産を売買することが可能です。また、事業投資では企業が銀行融資や投資家からの資金を利用して拡大戦略を取ることで、大規模な成長を実現するケースもあります。
・不動産投資におけるレバレッジの役割
不動産投資においてレバレッジを活用することで、投資家は自己資金を抑えながらも高額な物件を取得できます。これにより投資効率が上がり、資産の増加スピードを加速させることが可能です。また、不動産は長期保有することで価値が上がる可能性が高く、ローンの返済が進むにつれて純資産が増加する傾向があるため、長期的な資産形成においてもレバレッジは重要な役割を果たします。さらには、ローンを利用することで税制優遇措置を受けやすくなる点もメリットの一つです。
レバレッジを活用した不動産投資のメリット
レバレッジを活用した不動産投資は、少ない自己資金で大きな利益を狙えるだけでなく、他にも利点があります。ここでは、主に3つのメリットについて解説します。
・借入金を活用することで利回りを最大化できる
ローンを利用することで、自己資金に対する利回り(ROI)を向上させることができます。ROIは、投資によって得られる利益を投資額で割った数値で計算されます。例えば、自己資金500万円で3,000万円の物件を購入する場合、残りの2,500万円を借入金で賄います。この場合、物件から得られる家賃収入は年間240万円と仮定すると、自己資金に対するリターンは21%(240万円 ÷ 500万円)となります。一方、全額自己資金で購入した場合の利回りは6%(150万円 ÷ 3,000万円)に留まります。このように、レバレッジを効かせることで、自己資金が少なくても高額な物件からの収益を得ることができ、結果として投資効率が飛躍的に向上するのです。
・インフレによる不動産価値上昇の恩恵を受けやすい
不動産はインフレに強い資産とされており、インフレが進むと物件価格や家賃も上昇する傾向にあります。例えば、米国では1970年代の高インフレ時期、日本では1980年代後半のバブル期において不動産価格は急騰し、投資家たちは大きな利益を得ました。このようにインフレによる資産価値の上昇を享受するためにも、レバレッジを利用した不動産投資は有効と言えるでしょう。また、インフレが進行すると物価が上昇し賃貸物件の家賃も上がるため、不動産投資から得られる収益が増加し、投資の利回りが向上することも期待されます。
・節税対策にも活用できる
法人名義でローンを使用する場合、減価償却費やローン利息、維持費や保険料などを経費として計上できるため、所得税や法人税の負担を軽減できます。このように、法人の場合は賢くレバレッジを活用することで税制面でのメリットも享受できるのです。しかし、法人化には手続きの複雑さや設立・維持コストが伴うため、費用対効果を踏まえたうえで判断することをおすすめします。
レバレッジを活用した不動産投資のリスク
一方で、レバレッジを活用した不動産投資にはリスクも伴いますので、あらかじめよく理解しておくことが重要です。ここでは、主に3つのリスクについて解説します。
・経済状況や市場金利により、キャッシュフローが悪化するリスク
レバレッジを活用すると少ない自己資金で大きな投資が可能になりますが、借入金の返済負担は避けられません。特に家賃収入が予想よりも低い場合や、経済状況の変化により収入が減少した場合、キャッシュフローが悪化するリスクがあります。また、変動金利でローンを組んでいる場合は、市場の金利上昇に伴い返済額が増加するため、これもまたキャッシュフローに影響を与えます。特に長期のローンを組む場合は、将来的な金利変動のリスクを考慮し、固定金利や借換えの選択肢も検討すると良いでしょう。
・空室により収益減でローン返済の負担が増えるリスク
賃貸物件の収益は入居者が支払う家賃によって成り立ちます。つまり、空室が増えると収益が減少し、ローン返済に支障をきたす可能性があるのです。このリスクを軽減するためには、入居ニーズの高いエリアや物件を選ぶこと、物件の価値向上に努めること、適切な管理会社と契約することなどが重要となります。特に、物件の価値向上についてはターゲット層に合わせ設備投資やリノベーションを施すことで新規入居者を効果的に獲得できるでしょう。
・不動産価値下落に伴う「逆ザヤ」のリスク
市場の変化により不動産価格が下落した場合、資産価値がローン残高を下回る「逆ザヤ」の状態になる可能性があります。賃貸経営においても、家賃収入が借入金や利息の返済を下回るリスクがあります。こうした状況を防ぐためには、市場動向を見極め、借入金の金利を適切に管理することや収益性の高い物件を選ぶことが重要です。
レバレッジを活用した不動産投資の戦略
最後に、レバレッジのメリットとリスクを踏まえてどのように投資戦略を考えていけば良いかについて、3つのポイントを紹介します。
・「長期投資」と「短期投資」の使い分ける
レバレッジを活用した不動産投資には、長期保有と短期売却の2つの戦略があります。長期投資では、安定した家賃収入を得ながらローンを返済し、資産価値の上昇を期待するのが一般的です。一方、短期投資では、価格が上がりやすい物件を購入し、短期間で売却することでキャピタルゲインを狙います。どちらの戦略も、それぞれの市場状況やリスク許容度に応じて適切に選択する必要があります。市場状況の判断基準としては、需要と供給のバランス、金利動向、人口動態、経済成長率などが挙げられます。これらの指標を適切に分析することで、投資戦略の最適なタイミングを見極めることが可能となります。
・安定的なキャッシュフローが見込める物件を選ぶ
安定したキャッシュフローを確保するためには、適切な物件選びが不可欠です。高利回り物件を探すだけでなく、入居者の需要が高いエリアや、管理のしやすい築浅物件を選ぶことが重要です。また、地元の賃貸市場の動向をリサーチしたり、地域事情に詳しい専門家に相談したりしながら、空室率の低い地域を選ぶことも成功のカギとなるでしょう。
・適正なレバレッジ比率を見極める
レバレッジをどれくらい活用するかについて一般的には、自己資金比率を一定以上確保し、ローンの返済比率を収益の一定範囲内に収めることが推奨されます。過剰な借入はリスクを高めるため、適正なレバレッジ比率を見極めながら投資を進めることが重要です。また、複数の物件に分散投資することでリスクを軽減する戦略も有効です。例えば、複数地域の物件に投資することによって特定の市場の下落リスクを回避することができるほか、マンション、アパート、一戸建てといった異なる物件タイプを組み合わせることで、収益の安定性を向上させることができます。
リスクを考慮しながら適切にレバレッジを活用していこう
今回は、不動産投資におけるレバレッジのメリットやリスクについて解説しました。レバレッジをうまく活用することで、少ない自己資金で資産を拡大し、効率的に投資を進めることができます。しかし、借入リスクや市場変動を考慮し、適切な資金管理と戦略を立てることが不可欠です。
最終的には、投資の目的や自身のリスク許容度に応じて、最適なレバレッジの活用方法を選ぶことが大切です。不動産市場の動向を注視しながら、長期的な視点で投資計画を立てることで、安定した収益を得ることができるでしょう。
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