利回り重視の不動産投資に店舗開発やテナント物件をおすすめする4つの理由

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利回り重視の不動産投資に店舗開発やテナント物件をおすすめする4つの理由

不動産投資のなかでも近年、マンションやアパートなどの住居物件ではなく、店舗が入居するテナント物件への投資を検討される投資家の方も増えています。テナント物件はマンション・アパートなどの住居物件よりも収益性や利回りが高いと言われる一方で、事業用ならではのノウハウが求められるため敷居が高く、一般的に多くの資金が必要で投資リスクや難易度が上がります。

 

しかし、きちんとした知識をもとに運用できれば、一棟マンションやアパート、区分マンションの売出価格が上昇し以前に比べて利回り(表面利回り)が低下しつつある昨今でも、比較的安定した利回りを確保できるのも事実です。

結局のところ、テナント物件への不動産投資はありなのか?どんな人におすすめなのか?テナント物件などへ投資するメリットとデメリットを、住居物件と比較しながら見ていきたいと思います。

店舗開発やテナント物件投資を
おすすめする4つの理由

 

店舗や事務所などが入居するテナント物件。その種類は、一棟ビルや商業施設、路面店が入る建物、大通り沿いのローサイド物件など多岐に渡ります。種類や地域によって多少の違いはありますが、居住物件と比較した際のメリットを簡単に整理してみます。

 

メリット①居住用に比べて利回りが高い

テナント物件最大の特徴は利回りの高さにあります。居住用物件の場合は「居住サービスを消費する」だけですが、テナント物件は「モノやサービスを売って収益を生み出す」ため、より高い家賃設定が可能。つまり、住居系よりも多くの家賃収入を期待できるということです。居住用物件がエリアによっておおよその賃料相場が決まっているのに対し、テナント物件の場合は賃借する事業者が売り上げを出せる立地や環境であれば、比較的高い賃料であっても借りてくれるケースがあるのです。

 

例えば集客力の高い市街地の路面店、駅前のテナントビルなどであれば、その集客力を根拠として高い家賃を設定でき、値上げ交渉が可能になる場合も少なくありません。「平均賃料が高い」=「利回りが高くなる」という理屈です。さらに、今後再開発が進むエリアなど物件自体の資産価値上昇が期待できるような物件であれば、売却時にキャピタルゲインを狙える可能性も出てきます。

 

また、居住用物件は築年数の経過に応じて賃料相場が下がりがちですが、テナント物件の場合は築年数よりも立地が重要視される傾向にあります。収益力のある環境の物件に投資できれば、築年数の古さの影響を受けにくく、賃料も下落しにくいと言えます。

 

もちろん、これはエリアによるところが大きく、地域によってはテナント物件と住居物件の利回りや賃料単価の差がほとんどないケースもあります。商業エリアや事業所の多い地域、つまり都心部や地方中核都市の中心市街地に近いエリアのほうが、テナント物件の賃料単価が高くなる傾向にあります。

 

メリット②長期入居が期待できる

居住用物件の場合、入居者の仕事の都合や転勤、結婚出産などライフステージの変化、近隣居住環境の変化などによって短期間での退去が多くなりがちです。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が2020年12月に公表した「第24回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』」によると、住居物件の平均入居期間は学生や単身者で2~4年、ファミリー層では4~6年が最も多い結果でした。一方で、テナント物件の場合は入居する事業者の事業が順調であれば比較的長期の入居が期待できます。(株)ザイマックス不動産総合研究所が2018年12月に公表した「東京23区オフィステナントの入居期間分析」によると、オフィステナントの平均入居期間は9.6年。20年程度の入居期間となるテナントも30%弱にのぼります。

 

テナント物件の場合、営業場所として利益が出て採算が取れていれば、よほどの事情がない限り頻繁な移転は行われませんし、契約期間も2年以上であることが一般的です。そのため、仕事の事情やライフスタイルの変化で引越しされる頻度が高い居住物件よりも長期的な入居が見込めるのです。メリット①であげたテナントにとって魅力的な立地の物件に投資できれば、長期にわたって安定的な収益を得ることが可能だといえます。

 

メリット③返還義務のない補償金を活用可能

店舗や事務所として貸し出すテナント物件の場合、敷金に相当する「保証金」が多いのも特徴です。居住物件の保証金は家賃1~2ヵ月分が一般的で、さらに最近は縮小傾向にあります。対して、テナント物件の保証金は3カ月~12カ月に設定されます。これは、賃料を支払えるかどうかがテナントの経営状況に左右されるためです。万が一賃料の滞納があれば保証金から徴収し、また退去時における原状回復工事ができない場合にも、保証金を充当するため、テナント物件の保証金は高めに設定することができるのです。

 

また居住物件の補償金=敷金は、入居者の債務や故意・過失による損耗・毀損にかかる復旧費用を除き、基本的には退去時に入居者へ返還しなければなりません。一方、テナント物件の保証金は、契約内容によっては一定割合の償却が認められ、全額返還の必要がないケースもあります。物件によって年間何パーセント償却という形で差し引く、または解約時に何カ月分を差し引くと契約書に記載することもでき、その金額はオーナーの収入とすることが可能なのです。その分を運用することで、他の投資を通して利殖することも見込めます。

 

メリット④原状回復の手間・費用が不要

テナント退去後の原状回復工事はオーナー負担にならない点も、テナント物件のメリットだと言えるでしょう。居住物件の原状回復は国土交通省の「原状回復ガイドライン」などによって決められており、故意・過失による損傷以外の自然損耗などの補修費はオーナーが負担しなければなりません。賃借人が退去したあとの清掃費用は敷金から充当しますが、経年劣化と判断されるクロスの張り替えや、キッチンなどの交換費用はオーナーの負担になります。

テナント物件の場合、入退去時の引き渡しは建物の躯体だけを残したスケルトン状態で行います。入居した事業者自身が自己負担で内装や設備などの工事を行い、退去時に撤去するのが一般的。内装や設備の入れ替えなどの費用で収益性が損なわれることがありません。長期入居が期待でき、さらに原状回復負担もないため、不動産投資における手間や費用が居住物件に比べて格段に少なくなると言えます。

 

 

テナント物件投資の落とし穴
注意すべき3つのデメリット

 

特に利回りの面でメリットが大きい店舗開発やテナント物件への投資ですが、当然ながらデメリットも存在します。その原因の多くはテナント物件の借主が「事業目的」で物件を選んで借りるところにあります。どういうことか詳しく見ていきましょう。

 

デメリット①空室期間が長期化しやすい

テナント物件投資の最大のリスクが空室の長期化です。テナント物件は一度空室になると次の入居が決まるまで空室期間が長期化しやすいのが特徴です。テナントの退去理由はいくつかありますが、最も多いのは「業績不振で家賃が支払えない」ケース。立地と業種のミスマッチにより起こってしまう場合が多く、新しいテナントを誘致しようとしても所有している不動産の立地や物件にマッチした業種のテナントが見つからなければ、空室期間が長引く可能性があります。

テナント物件の入居者募集には住居物件に比べて専門のノウハウを必要とし、単に賃料を下げれば決まるというものではないため、物件に投資する段階から需要と立地を入念に調査する必要があると言えます。万が一ひとつのテナントに物件を貸し出していた場合は、空室の期間は収入がゼロになってしまうため、キャッシュフローが急激に悪化してしまうことも考慮する必要があるでしょう。

 

デメリット②景気変動の影響を受けやすい

さらに空室リスクと連動する形でテナント物件投資のデメリットとして挙げらるのが、景気変動によるリスクです。今回のコロナ禍でテナントの退去や賃料交渉が連日ニュースで報道されていたのは記憶に新しいところではないでしょうか。当然のことですが、テナント物件の借主は「事業を目的」として物件を借ります。景気後退による業績不振などで事業者の経営状態が悪化すると、多くの場合、賃料の値下げ交渉をしてくるか、より家賃の安い物件への転居を検討します。たとえ都心部でも不景気になると一挙に複数のテナントが退去してしまう恐れがあるのです。逆に居住物件の場合は入居者の用途が「住むこと」ですので、景気変動に左右されることは少ないと言えます。

もちろん、居住物件でも家賃の上下はありますが、大抵が物価上昇率に近い範囲、2年で5%~10%程度になると言われています。これがテナント物件では需給バランスによって大きく変わり、5割〜10割の変化もあり得てしまうのです。オーナーとしては空室を避けるため、家賃の値下げ交渉に仕方なく応じるしかないケースも少なくありません。

 

デメリット③融資審査が厳しく初期費用がかかる

テナント物件は居住物件に比べて金融機関の審査が厳しいと言われています。また、物件の担保評価やオーナー投資家の資金力・実績に加えて、テナントの属性まで詳しく調べるケースが多く審査に時間もかかりがちです。さらに物件価格は将来的に見込まれる収益と市場価格から決まるため購入価格が高額となるケースが多く、ローンで必要資金を調達しきれないケースも考えられます。そういう意味で不動産投資の中でも店舗開発やテナント物件への投資は、ある程度不動産投資に長けている方や潤沢な資金が運用できる法人などに向いている投資手法といえるかもしれません。

 

 

テナント物件への不動産投資で
抑えておくべきポイト

 

必ず現地調査と事業用ニーズの調査を実施する

前述のように不動産投資におけるテナント物件選びは、入居者である事業主が利益を生み出せる環境か否かが成功の分かれ目です。業種や業態によって最適な立地条件や周辺環境は違います。また、同じエリアであっても通りが1本違うだけでガラッと街の雰囲気が変わります。だからこそ、駅前だから、最近店舗が増えているエリアだからと安直に投資先を決めるのはご法度。どのような事業者に賃貸しやすく、収益を出せるかを綿密に調査する必要があります。

 

また、テナント物件を選ぶ際には、建物の設備上誘致しやすい業態や不可能な業態があることにも注意を払うべきです。退去が出たあと次のテナントが決まるまでに時間を要することも少なくありません。もし退去があった場合でも次のニーズが期待できるのか、転用して他のニーズにも対応できるのかといった目線で物件をチェックするべきだと言えます。

 

店舗開発やテナント投資に長けた会社を見つける

テナント物件は住居物件よりも物件数が少なく、用途も幅広く、物件の選び方も事業用ならではのポイントがあります。だからこそ、不動産投資の物件選びはパートナー選びがなにより重要になってきます。例えば仲介会社を探す場合でも、店舗やオフィスなどテナント物件の実績が豊富でノウハウのある会社、リーシングのノウハウがある不動産会社を選ぶのがおすすめです。

またいくら知名度のあるテナントが誘致できる・されているからといって、安直に契約を進めるのもNG。事業用の借地契約など契約関係も一緒に見直しながら提案してくれる会社が最善だと言えます。

 

 

不動産投資でテナント物件を
投資対象にするのはおすすめか?

 

まとめると、テナント物件は居住物件に比べて収益性が高いといった魅力はあるものの、空室リスクや家賃変動リスクが高いことから、不動産投資がはじめてといった初心者の方にはおすすめできません。また、融資が難しいのでローンを前提とした投資を検討している方にも不向きです。ですが、ある程度の資産余剰があり不動産投資の経験がある方にとっては、資産運用の次なる一手やリスク分散にもつながります。

 

私たち今村不動産は、これまで多種多様な事業用収益不動産を手掛けてきました。ロードサイドや都市部のビルトインを問わず多様なテナントの誘致から物件開発、契約関係の見直し、さらにはお客様の投資目的に合わせた住居併用タイプの物件開発など幅広くお手伝いが可能です。豊富な過去事例もご紹介できますので、テナント物件への投資にご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

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